独立を目指す美容師さんは、税金に関して興味があるはずです。
そもそも雇われているときは、そこまで税金に関して詳しくなくても、生活ができていたでしょう。
ところが独立後は、税金にそれなりに詳しくなっていないと、損をしてしまう可能性が高くなってしまいます。

独立すれば個人事業主になるからね。

税金のことなんて全然わからない…。どれだけ損するのかも知りたいな。
じつは個人事業主になったら、今まで雇われていた時より、たくさんの税金を支払わなければいけません。
つまり税金対策ができていないと、今まで支払っていた税金の何倍も、支出が増えてしまうわけです。

それってかなり困る…。独立しないほうがいいかな?

じつは独立しても、損をしない方法があるんだ。そのポイントを抑えれば、むしろ特をするから、この際覚えてしまおう!
この記事と相性がいい美容師さん
- これから独立を目指す人
- 税金に関して知らない人
- リアルな独立美容師さんを知りたい人
またこれから独立を目指す人は、税金に関する知識だけでなく、予め揃えておく書類もいくつか必要になります。
独立の準備に関しての記事に書いてあるので、こっちも参考にしてみてくださいね。
美容師さんの最大の税金対策は青色申告を選択する事!
まず美容師さんが独立をして損をしない方法のひとつが、「青色申告」という方法を選んでしまうことです。

青色?それを選ぶだけで損をしないの?

この方法を選んで確定申告すれば、じつは控除といわれるものが増えるよ!
控除というのは、申告の際に計算して出た収支から、合計額を差し引きしてくれるもの。
つまりたくさんの利益が出ていたとしても、その金額を少なくしてくれます。
青色申告者に対しては種々の特典がありますが、その一つに所得金額から最高65万円又は10万円を控除するという青色申告特別控除があります。
※引用:国税庁より

最高で65万円?かなり引いてくれるのね。

これを見るだけでも、お得に感じるでしょ?じゃあ詳しく中身を見ていくね。
青色申告と白色申告の違い
美容師さんが損をしない青色申告の存在を知ったところで、他に選べるものがあるの?と疑問になりますよね?
じつは青色申告の他に、白色申告というものもあります。

青とか白とか訳がわからないわ。

色を見るというより、中身を比較してみれば、青色申告を選んだほうがいい訳がわかるよ。
青色申告 |
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白色申告 |
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ザックリ上記の表で紹介しましたが、収益から控除してくれるのが青色申告。帳簿の記録が簡単なのが白色申告と覚えておきましょう。
ちなみにどちらも、帳簿や領収書などの保存期間が5~7年になるので、捨てずに置いておかないといけません。
保存期間 | |
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収入金額や必要経費を記載した帳簿(法定帳簿) | 7年 |
業務に関して作成した上記以外の帳簿(任意帳簿) | 5年 |
決算に関して作成した棚卸表その他の書類 | 5年 |
業務に関して作成し、又は受領した請求書、納品書、送り状、領収書などの書類 | 5年 |
※引用:国税庁より
例えば帳簿に経費を記入していたとしても、領収書がないと、税務署がその経費を認めてくれないですよ。

白色でもそんなに保存しないといけないの?それなら青色申告しようかな…。

考え方は人それぞれ違うけど、控除される点を見るとお得感はあるよね。
美容師さんが青色申告にするメリット
青色申告をするメリットは、白色申告よりたくさんあります。
美容師さんなら、絶対のこちらを選んだほうが損をしません。
青色申告のメリット
- 控除額が最高65万円
- 赤字を3年持ち越せる
- 専従者給与の存在が大きい
- 資産とされる物が30万円未満だとすべて経費にできる
控除額に関しては紹介したので省略しますが、その以外でも得をするものばかりです。
まず1度美容室の運営で赤字になっても、3年間その赤字を繰り越せます。

赤字を繰り越す?むしろデメリットっぽいけど…。

もしその次の年が大盛況で、大幅な黒が出たら、前の年の赤字部分で収支をマイナスできるんだよ。
そもそも税金の計算は、黒字がどのくらい大きいかで判断されます。
たくさん利益が出ていると、税金に支払いがたくさんになりますが、赤字だとその黒字をマイナスできるわけです。

つまりその他のメリットもそんな感じ?

そうだね。青色申告をすると、黒字をマイナスにしやすいものばかりなんだ。
すごくザックリ紹介しましたが、簡単にいうと独立した美容師さんは、得をしやすい制度というわけです。
ところが青色申告でもデメリットはあるので、それが嫌な人は白色申告を選んでください。
白色申告でもいい美容師さんの特徴は?
青色申告は税金の支払額を、かなり抑えられるお得な仕組みです。
ところが大きなデメリットもあるので、それが気になる人は白色申告でも問題ありません。
青色申告のデメリット
- 確定申告前に申告する手間がかかる
- 複式簿記という複雑な記録方法
- ちょっとでも書類にミスがあると許可されない
これらを見ると、面倒くさそう…と思った美容師さんがいたはずです。
つまり白色申告を選んだほうがいい美容師さんは、税金よりも気軽さを選ぶ人になります。
白色申告を選んだほうがいい美容師さん
- 税金より収益を出すのに集中したい
- 申告の手間が面倒すぎる
- 国のために税金を支払うのは当たり前
青色申告は確かに少し複雑です。
ところが青色申告と、白色申告の両方のメリットをゲットできてしまう方法があります。
それは税理士さんにお願いすること!
すべての作業をしてくれるので、どちらがお得か計算してみてください。
美容師さんの税金対策で大事!経費選びでコツコツ節税するのがコツ
申告方法で税金をお得にしてしまう方法を紹介しました。
さらに美容師さんが税金を抑える方法があります。
それが経費の選定です。

経費って自分で選べるの?

確定申告の時に、事業で使った経費として提出するんだよ。その選び方にもポイントがあるから、それを覚えるとチリツモで税金を抑えられるよ。
僕個人も事務をしているので、その経験から損をしない経費の使い方について紹介します。
消耗品の扱い方
よく毎日取引を記入していると、次の3つをどの経費にするか悩みます。
経費にする時に悩む勘定科目
- 消耗品
- 資産計上
- 雑費
消耗品とは、次の内容であると国税庁のサイトで書かれていました。
使用可能期間が1年未満か取得価額が10万円未満の什器備品の購入費などがあります。
※引用:国税庁より
つまり10万円以下の、日常的に使う備品をこの項目で処理します。
ところが消耗品費に似たものがあり、それが雑費ですね。
事業上の費用で他の経費に当てはまらない経費です。
※引用:国税庁より
取引を記入する際に決める項目は、消耗品費の他にたくさんあります。
それらの項目に当てはまらないものは、雑費として計上するのが当たり前です。
ところが毎回ではないにしろ、たまに出てくる経費は、雑費にするか、消耗品にするか迷います。
細かくいえば、この2つの中で悩んでも、税金にはそこまで影響はありません。
しかし残された資産計上するべきか、消耗品にするべきかで間違えると、もしかすると税金が増えて損をする可能性が出てきてしまいます。
取得価額が10万円未満のもの
この取得価額は、通常1単位として取引されるその単位ごとに判定します。
例えば、応接セットの場合は、通常、テーブルと椅子が1組で取引されるものですから、1組で10万円未満になるかどうかを判定します。
※引用:国税庁より
このように減価償却資産にするべきかは、この金額が基準となります。
ところが上記で紹介した青色申告をした場合は、この金額が30万円に変わるんですよね…。
その取得価額が30万円未満である少額減価償却資産については、その取得価額に相当する金額を、その方のその業務の用に供した年分の不動産所得の金額、事業所得の金額又は山林所得の金額の計算上、必要経費に算入することができるというものです(措法28の2)。
※引用:国税庁より
計上できるにしても税務署の見解として、経費ではなく、資産計上しないといけないとなると、かなり支払う税金が増えます。
このあたりは注意しないといけませんが、うまくいけば、かなり税金が安く抑えられるでしょう。
経費になるもの・ならないもの
経費をたくさん集まれば、事業として収益が出た金額を、支出として計算するのでマイナスにできます。
だからこそ経費をコツコツ集めると、税金を抑えられるようになるでしょう。
ところが厳密に見ていかないと、税務署の人が経費にならないと、認めてくれません。
その違いをよく比較してみましょう。
経費になるもの |
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経費にならないもの |
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ザックリ紹介しましたが、結局のところ、美容師さんが独立すれば、何でも経費になるわけではありません。
事業として、つまり美容室の運営で必要になったものだけが、経費として扱えます。
これを注意しておかないと、これも税務署で確認してもらった時に、経費として認められず、予定よりも多くの税金を支払わなければいけなくなるでしょう。
確定申告の時に領収書も用意する
何度も経費に付いて紹介してきましたが、帳簿に経費として使った…と書くだけでは、すべて経費として扱われません。
経費として証明できるものが領収書です。
これを確定申告の時までに、すべて残しておかないと、税務署では取り扱ってくれません。
ちなみに帳簿を残して、領収書を残していても、確定申告するのを忘れると大変です。
美容師さんが独立すれば、必ず次の方法で確定申告を済ませましょう。
確定申告の方法
- 必要な申告書を国税庁のページで用意する
- 申告書の手引きを見ながら作成する
- 必要な書類のチェックのページを見て確認する
- 電子申告か税務署に提出

独立すればやるべきことが増えて、少し面倒だな…。

税金については、僕もまだまだ勉強中だけど、自信がない人は税理士さんについてもらうのもアリだよ。
また、気軽に確定申告を済ませるなら、会計ソフトを使うのもおすすめです。
Freeeというソフトを使うと、アプリでも対応している上に、電子申告にも対応済み!
家でいながら確定申告が済ませられるので、これから独立をする美容師さんにも相性がいいでしょう。
美容師さんは税金対策も大事だけど収益をアップさせるほうが大事
美容師さんが独立して、税金を考えるキッカケのために、僕の経験を交えて記事を作りました。
確かに税金対策は重要ですが、1番美容室を運営する場合で大事なのは、売上を上げる努力をする点です。

節税は売上が高くなってきてからが大事だよ。まだ独立する前から、税金について深く考えなくても大丈夫!

確かに税金ばかり気にしていたら、美容室として面白くなくなっちゃうね。
ちなみに美容師として独立した人の中で、「独立=儲かる」なんて思っていないでしょうか?
その考え方を変えないと、なかなか売上アップできません。
設ける方法についての記事を、過去に紹介しているので、それを参考に独立後の道を考えてみてくださいね。